おねしょ(夜尿症)の話 (ミストレンド)



   「おねしょ」とは、夜間睡眠中に無意識のうちに排尿してしまうことです。 子供の時には誰でも経験することですが、成長に伴い徐々に少なくなり自然に 「おねしょ」をしなくなります。5〜6歳を過ぎても頻回に「おねしょ」する場合は、 病的と考え「夜尿症」といいます。
   「おねしょ」は、睡眠中に作られる尿量と、それを溜める膀胱容量とのバランスの くずれによって生じます。夜間の尿量が多い場合には、自分でトイレに起きれなければ 「おねしょ」してしまいます。また睡眠中に膀胱に尿を十分溜めれないと、 夜間の尿量が正常でも「おねしょ」してしまいます。
   「おねしょ」の原因を簡単に知る方法は、夜間の尿量を測定することです。 「おねしょ」パンツやオムツに漏らした尿量と、朝起きてトイレに行った時の 尿量を計り、夜間の尿量を計算します。これで、夜間多尿が原因か、膀胱に尿を 溜めれないことが原因かが分かります。
   「おねしょ」の治療については、「おねしょ」が遅くても思春期までにほとんどが 自然に治るので、特に必要ないという考え方があります。 しかし、本人や家族にとっては深刻な問題で、修学旅行や研修宿泊に参加できなかったり、 いじめの原因になったりといった不利益も生じます。 「おねしょ」は、その状態を正しく評価して、それにあった治療法を選択することで、 治すことができます。また、「おねしょ」が、腎・膀胱・尿道の病気や神経の病気で 起こっている場合もあるので、一度は泌尿器科を受診して相談してみてください。

− ミストレンド,2001年7月号に掲載 −

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