あきらめてませんか尿失禁( AKTテレビ ) |
今日のテーマは,「あきらめてませんか 尿失禁」です。 「尿失禁」というと,「オシッコを漏らしてしまうこと」と考えて良いですか? | |
はい.国際尿禁制学会(ICS)の定義によりますと, <国際尿禁制学会(International Continence Society)の定義> 尿失禁とは,"無意識あるいは不随意な尿漏れ"であって,それが"社会的にも衛生的にも問題となる状態"である. とされております. |
「尿失禁」の人って,多いですか? | ||||||||||||||||||||||||||
意外と多いです. 日本公衆衛生協会の調査によりますと,日本では400万〜500万の人が尿失禁で悩んでいるといわれております. 尿失禁の頻度は年齢と共に増え,地域社会における60歳以上の人のうち,男性では10%,女性では24%以上の人が,尿失禁で悩んでいるとされております. しかし,治療を受けたり相談している人は,その中の1割にも満たなかったといいます. 女性は男性よりも2倍以上,尿失禁が多い!
同じ女性でも,尿失禁は未産婦よりも経産婦に多く,肥満傾向のある女性に多い傾向があります. |
尿失禁に関して,お医者さんに相談しない人が多いということですが,
恥ずかしいということもあるのでしょうが,症状が軽いからという人も多いのではないでしょうか? | |
女性の尿失禁に関していえば,欧米に比べると日本では軽症例が多いと思います.
しかし,「年だからしょうがない」とか「命に別状無いからいいや」といった諦めから,医者に話しないことも
多いようです.
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よく,咳をしたり,重い物を持ち上げた時に,
オシッコを漏らしてしまうという話を聞きますが,どんなときに尿失禁は起こる
のでしょうか? | ||||||||||
尿失禁には幾つかのタイプがあります.良くあるタイプを紹介します.
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治療法は尿失禁のタイプによって違うのですか? | ||
治療法は尿失禁のタイプと程度によって異なります.
軽度の尿失禁は,行動療法だけでも十分治すことが出来ます. 一般には,行動療法に加えて薬物療法が行われますが,薬物療法も結構効きます. 腹圧性尿失禁に対しては,尿道抵抗を高める薬や,膀胱収縮力を弱める薬が用いられます. 切迫性尿失禁に対しては,膀胱収縮力を弱める薬が用いられます. 溢流性尿失禁に対しては,膀胱収縮力を強めて尿道抵抗を弱める薬が用いられます. 重症あるいは難治性尿失禁に対しては,手術やその他の治療法が試みられます. |
尿失禁にならないための予防法はありますか? | |
腹圧性尿失禁が経産婦に多いことを考えると,
出産後から骨盤底筋体操をはじめ,出産時に弱った骨盤底筋を鍛えることにより,
尿失禁の予防あるいは軽症化を図れるのではないかと考えております. |
骨盤底筋体操について具体的に説明してください. | |
腕立て伏せで腕の筋肉を鍛えるのと同じように,
オシッコの締まりの筋肉を鍛える運動です.姿勢は,寝ていても,座っても,
立っても,どんな姿勢でも出来ます.お腹に力を入れず,肛門から膣,尿道を
お腹の方に持ち上げるように締めます.オナラや排便を我慢したり,
オシッコを途中で止めるときの動作がこれに当たります. この体操を一回2分程度で,一日に少なくとも10分間行います. 骨盤底筋体操だけでも,軽度の尿失禁は治りますが,体操をやめてしまうと 元に戻ってしまいますので,続けることが重要です. |
これまでのお話を聞いていますと,尿失禁は治る病気と考えて良いのですね? | |
最近,患者さんの生活の質( Quality of Life )の向上が大切だ,ということが言われるようになってきま した. 尿失禁は,これまでは " 隠したい症状 " だったのですが,しだいに " 治したい症状 、 治せる症状 " に変わってきました. 適切な診断と治療により,尿失禁の多くはコントロールが可能になってきております |
あきらめずに,恥ずかしがらずに,
気軽にお医者さんに相談すると良いですね? | |
その通りです!日本人の女性は欧米の女性に比べて軽症の方が 多いのですが,恥ずかしがらずに、気軽に泌尿器科専門医にご相談下さい. また,ご高齢の方も,年のせいだと諦めずに,オムツパンツは, あくまでも安全対策と考え,尿失禁の無い生活を目指しましょう! |